最後の別れ
告別式の朝は暑いくらいの晴天だった。
妹の肉体は今日この世から無くなる。
ずっとそれがら頭から離れなかった。
告別式の前、最後だからとお燗の蓋を開けてくれた葬儀屋さん。
妹の近くに座って何も言わず妹を見ていた。
眠ったままの妹。
本当に今日この世から無くなるんだ…
告別式は淡々と行われ、最後のお別れがやってきた。
ずっと抑えてきた物が溢れた…
1番最初に妹に駆け寄り、花を入れ、その後はとにかく泣いて、嫌だ、嫌だ、としか言えなかった。
火葬の時間があるから、そんなに長くはお別れが出来なかった。
最後にお燗の蓋を閉める…両方向から…最初に両親が片方を閉めた。
私は嫌で…すごく嫌で…
でも、やらなきゃいけない。
妹の主人と、もう片方の蓋を閉めた。
そして順番に外へ…
私の腕に抱えられてる妹の遺影。
車に乗ってからはただボーっとしていた。
大きなクラクションが鳴り響き、出発した。
終わる。
長かった戦いが終わるんだ。