通夜
斎場に着いて祭壇を見て泣きそうになった。
綺麗な花。
その中に私が選んだ遺影。
ピンクの可愛いシツギ。
斎場の方が、通夜が始まる前にもう一度メイクを直してあげて良いですよ、と言ってもらったから最後の、皆にお別れする為のメイク直しをした。
入念に。綺麗に。
綺麗な姿のまま死にたい…
そう言っていた美意識の高い妹の満足行くメイクかは分からないけど、とにかく綺麗に。可愛く。
メイクが終わり、通夜が始まるまで私は妹の顔をずっと見てた。
もぅ旅立ちの会かよ…
早すぎるよ…
まだ32だよ…?
起きなよ…
病院に居た時とは全く違う綺麗な姿の妹。
こんな形じゃないよ…
通夜にはたくさんの友人や、地元の人達が来てくれてた。
目があった友人も居たけど、殆ど放心状態で覚えていない。
最後にハッと気付いて来てくれてた方々に挨拶をした。
その時は、なぜかもう一人の自分が居た。
冷静な自分。
こうして通夜は終わった。