自宅にて
自宅に着くと母が座敷に布団を敷いていて、そこに妹が寝かせられた。
寝ている妹。
見てる私。
居間では葬儀屋さんと家族が通夜、葬儀の日にちを決める話をしていた。
そんな事務的な事は私は話す気にもなれなかった。ただ、寝ている妹を見て、3年半の戦いが終わったんだ…と、ボーッと妹を見てた。
顔はボロボロ。長く綺麗だった髪も短くお婆さんみたい。
そうだ…綺麗な姿にしよう。
亡くなった当日はまだ目もちゃんと閉じてない薄目だったので翌日の朝、妹が入院する前に使っていたメイク道具とずっと前に買っておいたウィッグを持って妹のとこへ行った。
生前妹がしていたメイクは分かってた。
ほぼ自分と同じ。付けまつ毛も同じ。
少しでも元気だった頃の妹に近づけたくてメイクを始めた…
メイクが終わりウィッグを被せたら見違えた。人形のように…そして今にも起きて来そうな…すごく綺麗だった。
このまま…ずっとこのまま。って思ってた。
涙は何故か出ない。
目の前に妹が居て私が居る。
安心感でもあったのかな…